同じような診察、治療でも何千円もの差!?
いろいろな動物病院を見比べてみたことがある方は実感したと思いますが、病院によって診療料金に明らかな差があります。初診料からして、1000円程度のところもあれば1万円に近いところもあります。避妊手術の費用であれば、数万円の差があることも珍しくありません。その理由は、人間のように保健医療のように一律の価格が設定されているわけではないことにあります。また、もしも動物病院の関連団体が診療料金を一律に設定しようとすれば、独占禁止法に触れてしまうという問題があります。そのため、各動物病院がそれぞれの判断で料金を設定し、競争をしなければならないという状況になっています。
治療に必要な費用は一定ではない
避妊手術ひとつをとってみても、手術を受ける動物が大型犬か小型犬かによって必要な時間や薬の量が大きく変わってきます。電話で費用についての質問をしても、ひと言で答えられないことがあるのはこのためです。また、避妊手術といっても病院によって施術の方法が違いがあります。検査や手術に使う機材が違ったり、縫合に使う糸の種類が違ったりすることもあり、最先端のものを使用していれば料金も高くなることがあります。料金を決定する獣医師の価値観によっても変わってきますが、そういった条件の違いが、人間の治療と比べてより直接的に料金に影響するのです。
納得して支払えることが重要!
診療の内容によって料金が大きく変わる仕組みになっているということなので、それが妥当な料金がどうかを判断することが必要になります。このことを考えれば、単に料金だけを提示するのではなく、治療について丁寧に説明をしてくれる病院を選ぶということが重要になります。他の病院と比べて料金が高くても、最新の設備が整っていて、アフターケアも万全という内容であれば納得して大切なペットを任せられます。反対に、他の病院と比べて料金が安い場合、その理由が単に良心的であるならばありがたいことですが、そうではない場合もあるかもしれません。獣医師の説明をなんとなく聞いて、わからないことを曖昧な解釈で聞き流すのではなく、行き違いや誤解がないように疑問に思うことはすべて確認するべきです。飼い主やペットの側の立場に立って、親切丁寧に説明をしてくれる病院こそが信頼できる良い病院と言えるでしょう。